【ネタバレ・考察】シン・ゴジラを観てきました その2
2回目となる更新では、シン・ゴジラの感想の後半を書いていこうと思います。
…とその前に、前回の記事について少し補足を。
ゴジラは牧博士がベースではないか、ということの根拠がまだありました。
それは二足歩行をしようとしていたこと。
這いずり歩行を行う第二形態はまるで後ろ足が生えたオタマジャクシのような印象でした。
であれば、そのまま前足を発達させて四足歩行になったほうが自然のように思います。
しかしゴジラはわざわざ後ろ足で立ち上がり二足歩行を選びました。
これはベースになった牧博士が人間だから、二足歩行の歩き方しか知らなかったため。とも考えられないでしょうか。
…ゴジラはもともと二足歩行だから、というのもあるかも知れませんが、それならわざわざ這いずり歩行をさせる意味が薄いかと思います。
ゴジラはフルCGで、中に人が入れないような形状なのに、野村萬斎さんの動きをキャプチャしている、というのも、異形の中に人間を感じさせるための手法なのかな、と思います。
ちなみにですが、野村萬斎さんのやられている能の動きは、重心がぶれず安定した力強い歩みであるそうです。何故その動きを?と思っていましたが、それを聞くとなるほど、という感じです。
さて、ここからは疑問②、ラストシーンについて書いていきたいと思います。
◾︎ゴジラからは何が生まれるのか
あのラストシーン、正直言うとあれだけでは何にもわからないです。
ざっくりまとめると、
・ゴジラ本体は凍結されている
・尻尾に人型の何かがくっついている
・尻尾の先端が開いている
これだけしか情報がありません。
こういう場合は、メタ的な推理をしてみるしかありません。
そのヒントとなるのは、ゴジラ凍結の作戦名、「ヤシオリ作戦」です。
この名前は、日本神話でスサノオノミコトがヤマタノオロチ討伐の際、オロチに飲ませて泥酔させためちゃめちゃ強い酒、「八塩折之酒(やしおりのさけ)」からだと思われます。
ゴジラに血液凝固剤を飲ませる様を、オロチ討伐に見立てた、ということですね。
劇中ではさらに「アマノハバキリ」という単語も聞こえました。これはスサノオがオロチの首を切り落とすのに使った剣の名前で、注水車をそれに見立てて部隊名にしたのかと思います。
さて、ということはゴジラ=ヤマタノオロチである、ということになるのですが、ヤマタノオロチにはもう1つ有名なエピソードがあります。
それは、ヤマタノオロチの尻尾から神器「草薙剣」が出てきたこと。
そう、「尻尾」です。
しかもこの草薙剣、見つかった経緯を読んでみると、「アマノハバキリでヤマタノオロチの尻尾を斬ると、刃が欠けてしまった。よく見ると、尻尾の中には剣があった。これが草薙剣である(ざっくり意訳)」とあります。
これはかなりマズい事態なのではないでしょうか…「アマノハバキリ」(日本の考えたヤシオリ作戦)よりも強力な「草薙剣」(何かは不明)が、ゴジラの尻尾から出てくる、ということになります。
開いた尻尾の先端からは、何か新しい脅威が生まれてくる、そんな事態が想定されそうです。
◾︎尻尾についていた人型のナニモノか
では、「人型の何か」がその脅威となるのか、というと、それは違うと思っています。
ここから先は根拠のないものとなるのですが、あれはゴジラの作り出した兵士なのでは、と思っています。
圧倒的な「個」の力で挑んだゴジラは、日本の「集団」の力によって眠りにつきます。
であれば、次はゴジラ側も集団を形成しようとするのではないでしょうか。
また、その人型の何かは、頭部の形状が「巨神兵東京に現わる」の巨神兵と酷似しています。
見ていただければわかる通り、これも庵野さん・樋口さんの作品です。
どちらかといえばファンサービスの要素が強いのかもしれませんが、巨神兵として描いたのであればやはり「兵」になるわけです。
兵士だけでは戦いは成り立ちません。指揮官が必要です。
その指揮官こそが、これから尻尾より生まれてくるもので、周りにしがみついているのは兵士である、というのがラストシーンの解釈です。
…いや、もう本当に勘弁してほしいんですけどね…
この解釈で行くと、「牧博士は日本に試練を課そうとしていたのかもしれない」という劇中の人物達の考えは違った、ということになりそうですね。
試練どころか、日本を確実に滅ぼしてやろうという意思さえ感じます。
「先の戦争では楽観的な態度が多くの死者を〜」というセリフもありましたが、もしかしたらここにかかってくるのかもしれませんね。
長々とここまで書いてきましたが、結局のところは続編でも作られないかぎり正解はわかりません。そもそも続編が作られない可能性もありますが…。
まぁこういった考察は考えているのが楽しいもので、合っていなければ負け、というものでもないと思いますので、こんな解釈もあるんだ、程度に考えていただければと。
まだまだ謎は残っていそうですが、一先ずはここでおしまいです。
長文をここまで読んでくださり、ありがとうございました。
【ネタバレ・考察】シン・ゴジラを観てきました
初めまして、配管工というものです。
普段はあまりブログなどやらないのですが、ネタバレありで自分の考えを好きなだけ書く場が欲しいなーと思い、このブログを始めました。
初回である今回は、公開したばかりである「シン・ゴジラ」について書いてみようと思います。
◾︎この作品のテーマとして感じたモノ
これまでも、いくつか怪獣モノを見ることはあったのですが、今回はそれらとは毛色の違うものだと感じました。
他のものは、まず怪獣ありき、破壊シーンありきで、テーマはその上に載せたもの、という印象が多かったです。
しかし今回は、「ゴジラで何を表現したいのか」を下敷きにし、そのために必要なレベルで怪獣の強さ・破壊の規模をしっかり考えているように感じました。
パシフィックリムなんかは前者で、怪獣とロボットの殴り合いが見たい!という動機で作られていたかと思います(もちろんそれが悪い訳ではなく、僕自身パシリムは大好きです)。
でもこのゴジラは、どんなことがあっても再び立ち上がる国・ニッポンを表したい、みんなに日本人であることをもう一度考えて欲しい、という気持ちが根底にあるような気がします。
◾︎とは言ってもやっぱり設定が気になる
テーマについて大層に語ってしまいましたが、個人的に気になっているのは劇中で明かされなかった謎たち。
今のところ気づいたものとしては、以下の2つが大きいものかと思います。
①何故ゴジラは東京に来たのか
②最後の「アレ」は一体何なのか
②は観た人なら誰もが気になっていると思います。
ですが①は意外と気づかない。ゴジラは東京を襲うもの、という先入観が強く、言われないと気づかなかったりします。僕もそのクチでした。
◾︎ゴジラは何故東京を襲ったか
「いやいや、そんなこと言ってもお約束だからじゃないの?」という意見はあると思います。
ですが、そうなるとあのセリフが腑に落ちないんです。
そう、「何故東京ばかり襲うんだ!」っていう、劇中の人物のセリフ。わざわざ言わせてるんです。
言わなきゃお約束で済むのに、わざわざ言わせたのが、まるで「ちゃんと理由はあるよ」と言わんばかりだと感じました。
では何故、ゴジラは東京を襲うのか。
それはゴジラの出生に秘密がありそうです。
ゴジラは核廃棄物をエネルギー源にする生き物が進化したもの、と劇中で推理されていました(…よね?専門用語多くて理解しきれてません…)。
しかし、それだと出現場所の説明がつきにくいと思うのです。
海が広いからあの大きさでも見つからない、というのはわかるのですが、それだと水蒸気爆発の説明がつきません。
何故そのタイミングで突如あのようなことが起きたのか。
それはゴジラの元になった生き物が「人間のDNAを取り込んだからではないか、と思います。
ゴジラは地球上で最も進化した生物、と言われていましたが、では2番目は?それが人間です。
ゼロからのスタートよりも、人間のDNAを元に進化させたほうが効率がよいに決まっています。
人間をベースにしていると考える理由は他にも、第二形態が胎児に似ている、というのもあります。あのギョロっとした目や、ハイハイで進むのが赤ん坊のイメージを作っていると思います。
さて何故東京を目指すか、という理由に戻るのですが、ゴジラのベースになった人間のDNAというのが牧博士を丸ごと1人、なら筋が通るのではないでしょうか。
妻を殺した科学を、日本を憎み「好きにした」人物。
もしゴジラが本能の赴くまま動いてしまえば、外国に上陸してしまい、日本への復讐は叶わなかったかもしれません。
それを制御するためのブレーンとして、自らをゴジラに変えたとは考えられないでしょうか。
しかし、そうすると今度は「博士の意識は残ってるの?」という疑問が持ち上がってくるかと思います。
それに対しては、意識は恐らくある・少なくとも記憶や知識は引き継がれている、と考えられます。
その根拠としては、以下のものがあります。
1.第三形態で、ヘリに向かって火炎を吐こうとした
→ゴジラは世代を重ねる生き物ではないので、これは本能によるものではなく、火炎を吐くための機構があると理解しているための行動と思われます。
ただ、体が冷えていなかったために機構は不完全で不発に終わっています。
2.爆撃機を攻撃した
→最後のヤシオリ作戦の際、無人爆撃機による攻撃を行いましたが、ゴジラは的確にドローンを攻撃しています。
これはドローンの存在を知らないとできないことです。
まぁ、これはそれまでのもそうじゃん、というものですが…
これらのことから、ゴジラが東京を目指すのは牧博士の復讐を完遂するためだった、と考えることができます。
もう1つの疑問である、「最後のアレ」ですが、長くなってしまったので次の記事で書こうかと思います。
初回からグダグダですが、また読んでいただけると。